すやりな時間

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映画感想07『グッドナイト、マミー』ママだけどママじゃない!?

 

『グッドナイト、マミー』感想

 

◇だいたいのあらすじ

 

離れた場所で暮らす母の元を訪れた幼い双子エリアスとルーカス。

しかし久しぶりに会った母の顔はマスクで隠されていて…。

そんな中、兄弟は母に違和感を覚え、次第に「母ではないのではないか?」と疑念が沸きはじめ…。

 

◇感想(ネタバレ注意)

 

もしかしたら目の前にいるお母さんは、ニセモノのお母さんかもしれない。

幼い兄弟にとって、こんなに怖いことってないと思います。

そういう「目の前にいる人は何者なのか」という心理的な恐怖が、

淡々と、ときに激しく描写されていてスリルのある作品でした。

 

双子のエリアスとルーカスが久しぶりに会った母。

だけれどその顔はマスクで隠されていてまったく素顔がわからない状態。

しかも、思い出の中にいる優しい母とは似ても似つかない性格で…。

次から次に「母とは思えない」行動を起こす母に、次第に疑心暗鬼になる兄弟。

だんだんと「本物のママじゃなくニセモノだ」と思い始めます。

 

怖いのが、兄弟と同じく、見ているこちら側も

「このお母さんニセモノなんじゃないか?」と疑念が沸くところです。

じわじわとした得たいの知れない恐怖感があるんですよね。

 

もし目の前にいる家族が、友人が、もしかしたらニセモノかもしれない。

考えただけで恐ろしくなります。

特に小さな子どもにとって「母親の存在」はとてつもなく大きいものだと思いますし、

絶対的に安心できる、信頼できる存在であってほしいはず。

そんな『母親』に対して抱いた小さな疑念。

その妄想じみた疑念がどんどんどんどん大きくなっていく様子と、

比例して実際に恐ろしくなっていく母親の様子が怖かったですね。

 

目の前にいる母親なのかわからない女性に怯える子ども。

優しかった母を思い出してそっと涙する子ども。

 

そんな複雑な子ども心が描かれる中、特に印象的だったのは、

『ママじゃないと思いつつも、ママだと思いたい』

そんな感情が見え隠れしていた点です。

どんなに怖い目に遭わされようと、やっぱり母は母なのだ、と。

きっと優しい母がどこかにいるのだ、と。

そう信じたい心に、見ていてなんだか寂しい気分になったりもしました。

 

この作品、母親が怖い、というだけではなく、純粋すぎる子どもも怖かったです。

小さな疑念が膨らんでいった結果、子どもたちの取る行動。

その心の純粋さ故の残酷さ、みたいなものが描かれていて、怖かった。

序盤から中盤、中盤から後半にかけてのいろいろなギャップみたいなものがすごくて

作りが面白い作品だな、と個人的に感じました。

 

ただ母親(らしき人)が怖い!!というだけにとどまらず、

よくよく見ていくと「あれ?もしかして…」と、

こちらの想像や妄想を掻き立てるようなギミックもあったりして、

ぞわぞわ怖くなってくるようなホラー映画でした。

そしてどこか物悲しくなるようなそんなホラー映画です。

「なに」が一番怖いのか。

見る人によって感じ方が変わってくるんじゃないかなぁ?と思いました。

あと、二週目は一週目とがらりと印象が変わりそうだな、とも思いました。

 

こちらの『グッドナイト、マミー』という作品、

オリジナル版とリメイク版の2種類が存在しているようです。

私が見たのはリメイク版。

オリジナル版もいつか機会があったら見てみたいなぁ。